染色について
DYE
天然染料とは、自然の植物・動物・鉱物から得られる色素を染料としたものです。 ひとつの植物からひとつの色相を得る直接染料。媒染剤(金属塩)を仲介して発色、定着させる多色性染料。藍染めなどのように還元して染め、酸化で発色させる建て染め。 成分のちがいや、染色法など様々な分類の仕方がありますが、大きくこの3つに分けて考えています。 染料に適した植物は自生しているものがたくさんあり、時期を合わせて採りに行き、色を染めます。
藍(蓼藍)
春に種を蒔き、夏に花が出る前に刈り取ります。
イタドリ
5月、花が咲く前に採取して染めます。蔓のようにどんどん伸びていき棘が多いので刈り取るのは大変です。 鉄媒染で透明感のあるグレーに
カラスノエンドウ
花が咲く前に採取して染めています。
臭木
夏に白い花が咲き、秋に青い小さな実をつけます。10月頃にこの実を取り、青い実と赤い萼を分けます。 実は単色性染料のため媒染なしで染めます。また、赤い萼は鉄媒染で綺麗なグレーに染まります。 日本では北海道から沖縄までどこにでも自生しているのですが、染色に使うだけの実を集めるのはなかなか大変です。
葛
若葉を灰汁で煮出して染めます。 染液は3回目以降の抽出液を使用するため煮出しの回数が通常よりかなり多くなります。 PHを中性に戻してから染色します。採取の時期によっては綺麗な緑色にならない時があります。
胡桃
外果皮・樹皮・葉を染色に使います。 外果皮は6月頃に花を咲かせ、9月頃の青い実を採ります。 自生しているものは10mを越す高さの木が多いので採取には注意。 実は緑色の外果皮の中に堅い核果があり、さらにその中の種子を食用にします。 外果皮のみを取り、よく水洗いしてから煮出します。油分を多く含むので手が真っ黒になり、 液が服に付くと取れません。 外果皮は乾燥保存できると聞き、何度か試したのです今のところうまくいったことはないです。
五倍子
ヌルデの木にアブラムシが寄生してできる虫瘤のことで、秋のお彼岸ごろ少し黄赤色になったものを 必要分だけ採ります。時期を逸すればアブラムシの成虫が飛び出してしまいます。五倍子はタンニンを多く含み 鉄媒染で紫かかった墨色に染まります。
小鮒草
全草を刈り取って使います。夏に染めれば鮮やかな黄色、秋の赤く色ついた穂で染めれば萌葱色になります。
野ばら
5月、花が咲く前に採取して染めます。蔓のようにどんどん伸びていき棘が多いので刈り取るのは大変です。 鉄媒染で透明感のあるグレーに
合歓の木
綺麗な檸檬色になります。若葉で染めれば少し緑がかった色になります。